【思い出の装丁_101】でございます。
 
 
さて、今回の本群は、
 
 
・講座 ITと日本語研究_1 コンピュータ利用の基礎知識
・講座 ITと日本語研究_2 アプリケーションソフトの基礎
・講座 ITと日本語研究_3 アプリケーションソフトの応用
・講座 ITと日本語研究_4 Rudyによるテキストデータ処理
・講座 ITと日本語研究_5 コーパスの作成と活用
・講座 ITと日本語研究_6 コーパスとしてのウェブ
・講座 ITと日本語研究_7 ウェブによる情報収集
・講座 ITと日本語研究_8 質問調査法と統計処理

 
2011〜2012年 明治書院刊
 
 
という一連のシリーズですね。A5判、全8巻。
こちら、約1年をかけて全巻をデザインして参りました。
編集者・K様との仕事。
 
 
明治書院様は、国文学・漢文学・国語教育の専門出版社。
国語教科書、教材、辞書、事典などを発行されている
老舗の版元様です。
 
 
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日本語データ処理を進める上で必要不可欠となるコンピュータの基礎知識を扱う。
データの種類をはじめ、作成、活用、管理の方法など、
日本語学を志す人は誰もが知っておくべき重要事項をまとめた。

 
ITの利用によって、日本語研究をどのように効率化させることができるのか、
どのような日本語研究を開拓していけるのかを展望する待望の講座。

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装丁に関しては、
まさにザ・シリーズといった感のデザインです。
ひな形デザインを決め、
帯色8色分を先に設定して進行して参りました。
 
 
各本、つか幅は10ミリ前後。
さほど厚くなくテキスト然としてますし、
デザインアイテム、フォント等含め難解なイメージは必要なく、
どちらかというと親近感があり、
信頼性もあるデザインの位置です。
色味は明るめの階調です(K様のご要望)
 
シリーズ名にITと入り
書名にはその用語が使われますので
ビジュアル自体はITっぽくせず
主題であるところの日本語研究
そちらに重きをおいたイメージにしてあります。
 
 
このように装丁の仕事は、
形にするのはデザイナーの役目ですが、
編集者や版元様が意図するところへ
それを落とし込むことが必要になってきます。
(あくまでもボクの場合です)
完全にデザインお任せの仕事もありますが、
そういう仕事ばかりですと守備範囲が狭くなっていきますね。
 
個人的には長くデザイン活動をしていきたいので
広く、広くということを考えます。
(一般的には逆かもしれません)
 
 
●シリーズものの装丁記事_1
●シリーズものの装丁記事_2
 
 

 
 
●テキスト系の装丁仕事
 
 
↓帯地色はカラフルに。並べた際にキレイに見えるように。

 
 
本書群のように、シリーズものの書籍は、
長い時間を経ての仕事が多く
完了した際の達成感はまた格別です。
 
書店での面陳期間は少ないかもしれませんが
出向くと書棚にドン!と棚差しされていますので
目にした時は思わずニヤニヤとしてしまう…
これも装丁デザイナーとしてのやり甲斐を感じる一時ですね。